馬ノ背からロバの耳、ジャンダルムの難関コース。その夜の岳沢は音痴合唱でした。
今回の岳沢は晴天続く
我々の山行は岳沢に入ることが多かったが、いつも天気には恵まれず計画通りの山登りができないのが、この岳沢合宿の常である。
今回も台風が近づいていて、まず天気は望めないだろうと半ば諦めていた。しかし、実際に岳沢での生活は3日間とも晴天に恵まれ、予想以上の楽しい山登りができた。
南陵の登りは快調!
この合宿の準備として、岩登りの集中トレーニング(愛知県春日井市にある定光寺でのロッククライミング練習)を9月中旬に行っていたので、この南陵は全員自信たっぶりの登りである。
先頭を登る自分に対して、後のメンバーからは尻を突かれる始末である。南陵から吊尾根に出て、奥穂高岳を往復した。
【奥穂高岳(3190m)】
奥穂高岳は穂高連峰の中央にそびえる盟主である。標高3190mは富士山の3776m、南アルプスの北岳の3192mに次ぐ日本第3位の高峰で、頂上に造られた2mを超す大ケルンの上に立つと第2位になろうかという高峰なのである。」(※)
ピナクルからタタミ尾根へ
2日目、天狗沢の途中からピナクルに向って急な岩を登る。そしてピナクルを通過するとタタミ尾根(名の如く、タタミの様に平な岩が逆層で重なり合っている所)に出る。
かなり高度感がある岩登りではあるが、両足を傾斜にぴったりと着けさえすれば、安心して快適な登ができた。
難所は、慎重に!
タタミ尾根の頭から奥穂高岳への岩陵は、穂高岳連峰の難所であり、ジャンダルムやロバの耳、馬ノ背を通過する。
信州側と飛騨側の絶壁を覗き、そして各自慎重な足運びでひとつひとつの難所を超えて行く。無事に奥穂高岳に着き、今歩いてきたジャンダルムの方向を眺めながら写真を撮った。
【緊張の岩稜縦走】
ジャンダルムから奥穂高岳は、北アルプスで最も厳しい岩稜縦走路だ。ここでは基礎的な岩登り技術と的確なルートファインディングが必要であり、悪天候下での行動は避け、経験者の同行が必要などの諸条件がつく。馬ノ背からロバの耳は飛騨側を巻き、ジャンダルムへは直登ルートと西穂側から巻くルートがある。ペンキ印を慎重にたどる。」(※)
その夜の岳沢テント、音痴合唱!
奥穂高岳の帰りには前穂高岳に寄り、岳沢のテントに戻ったのが夕方の4時半である。
夕食には、近くにある岳沢ヒュッテから買い込んだ缶ビールを飲み、夜遅くまでテントの中は音痴の合唱が続いた。