名古屋時代の懐かしい人が大勢写っている。35年前の思い出が蘇える。
初心者37名が集まる
数名で日帰り登山の計画を立てて、職場で参加者を呼びかけたら、何と男女37名の希望者があった。その中にはハイキング程度の経験を持つ人が多少いたが、ほとんどは山登りの初心者である。
新緑の宇賀渓、爽やか!
当日は晴天に恵まれ、渓谷の中では清々しい気分にさせてくれる場所である。
『雲はいくらか残っていたが青空がとてもきれいだし、周囲は緑・緑・緑で一杯である。宇賀渓登山口からの道はやさしくなかった。登山道を登ったり下ったりすると、だんだんと水の音が近くに聞こえてきた。そして岩や石の上を歩いたり、よじ登ったり、岩から岩へと飛び渡る連続である。』Mさんの紀行文より。
女性陣が作った「おにぎり」は、美味しい
長尾滝までは約1時間の距離だが、今回は2時間近くもかかってしまった。やはり大勢で登る時は、予想時間をはるかに超えしまうものだと反省させられた。
ここで昼食をとり、女性陣が作ってきたおにぎりを全員が美味しく頂いた。
『長尾滝で待ちにまった昼食、皆が美味しそうにおにぎりを食べていた。ただ、目の前の山が竜ヶ岳と聞かされた時は、あんな急な山へ登れるだろうかと思うと食べ物が喉を通らなかった。』Yさんの紀行文より。
足並みが崩れた!
長尾滝から竜ヶ岳へ登る道は、急勾配で炎天下にさらされる辛い歩きが続いた。しばらくすると長い列の足並みが崩れ始め、そして女性1名が完全にダウンしてしまう。
その結果、ダウンした女性を数名の男性が手助けする事にして、残りメンバーには頂上へ先行してもらう。
コップ一杯の水、最高!
37名バラバラの登りではあったが、全員が竜ヶ岳頂上についたのが午后3時過ぎである。
そして、頂上で飲んだ水はビール以上の美味しさがあった。
『頂上に着いて飲んだ、ほんのちょっとの水のおいしかったこと、水の有り難さが存分に知らされました。』Tさんの紀行文より。
『生まれてこれ程、水の有り難さを感じたことはなかったと思う。頂上に着いた時のコップ1/4程の水の貴重さは、あの時に登った人でないと分らないであろう。』Gさんの紀行文より。
【竜ケ岳(1100m)】
山名は、郷土資料によると、雨を呼ぶ竜神にちなんだとされいる。しかし、大正ごろまでの地図には、山名の記載はない。山上一帯は、ササやススキの敷きつめられた広い草原になっており、眺望も抜群である。また、山麓の宇賀渓は、奇岩、淵、滝が断続し、鈴鹿一の渓谷美を誇る。」(※)
長い列を作りながら、遠足尾根を下る
頂上では、全員で笑顔の記念写真を撮り、午后4時に遠足尾根を下り始める。厳しかった日射しも弱くなり、全員軽やかな足取りである。しばらくすると、みんなで合唱しながら楽しく夕暮れの町に向っていた。団体での登山の計画、行動の難しさを痛感した1日である。それでも今回参加した一人ひとりに対して、少しでも山登りの事を知ってもらえた点では、満足した山行である。