黒部峡谷鉄道宇奈月駅を出発すると、すぐ新山彦橋である。長さは同鉄道では最長の約166mで、傾斜がついている。この橋を渡った対岸の中腹に道路状にみえる横線は、椎名道三が天保年間(1830~44)に完成させた十二貢野用水である。
宇奈月温泉は、大正12年(1923)11月に開湯し、黒部川の電源開発とともに発展してきた。ここは、約7km上流の黒薙温泉が源泉で、引湯管で導水している。源泉は、泉温91℃、無色透明の単純泉で、1日3000tも湧出する。
黒部川電気記念館は、70年余りにおよぶ黒部川の電源開発に心血をそそいだ先人たちの偉業と、黒部の自然を知ることを目的として、昭和60年(1985)に開館した。入口横に、電源開発に使用した電気機関車が静態保存されている。館内には、縮尺60分の1の黒部ダムの模型があり、ワイドモニターで難工事の様子を放映している。
本鉄道は、資材運搬用として、大正12年9月に工事開始、昭和12年7月欅平まで開通しました。当初から地元の皆様の利便を図るため、「無料便乗」して頂いていましたが、秘境黒部を探勝したいという希望に応じるため、昭和4年、有料便乗が始まりました。