ゆかりの地
土方歳三は天保6年(1835)、多摩(日野市内石田)の豪農の子として生まれた。10人兄弟の末っ子だったという。歳三は、武士になりたいと願い、木綿問屋に奉公したり薬の行商をしたりしつつ、剣術の稽古に励んでいたという。土方は、義兄の開いていた天然理心流の道場に指導に来た近藤勇と出会い、25歳で近藤の試衛館に入門した。腕を磨いた土方はその4年後、十四代将軍徳川家茂警護の「浪士組」に近藤と共に参加、京へ赴いた。京では引き続き長州藩の尊攘過激派らの掃討に活躍し、「新選組」副長に抜擢された。
土方歳三は榎本武揚と合流し、蝦夷地(北海道)へ渡り、五稜郭を占領。榎本を総裁とける蝦夷共和国が成立し、陸軍奉行並に就いた土方は、新政府軍の進撃に徹底防戦で凌ぐ。しかし翌明治2年(1869)函館総攻撃を開始した新政府軍に対し、先頭に立って馬上で指揮をとっている最中、銃弾に腹を貫かれ、土方は絶命した。部隊は総崩れとなり、その6日後、旧幕府軍は降伏した。35歳。