小田急新松田駅から富士急行バスの西丹沢行きに乗込む。11月に入り丹沢の山々は紅葉の美しい季節をむかえ、車中は山登りや紅葉を楽しむお客で満員状態であった。バスが丹沢湖に上がる頃から、立ち隠っていた靄も晴れて、永歳橋を通過する時には左手に雪を被った富士山を一瞬見ることができた。

　西丹沢自然教室は丹沢大山固定公園の自然を写真や模型で展示、紹介するミニ博物館です。
　昨年の同じ時期には、ここから犬越路を越えて神ノ川へのコースの山道であったが、今回は丹沢湖に下るコースで歩き始めた。

　中川川沿いのバス道を約20分箒沢に歩くと、大きな立派な杉の木が目に入ってくる。この箒杉は、胸高約12m、根廻り約18m、高さ約45mの大きさで、推定樹齢も県下最高齢の約2000年。最近では「かながわ未来遺産100」にも選ばれている。

　箒沢集落の入口付近にある箒杉は、昔、禁令により6種の木材=杉(スギ)・桧(ヒノキ)・欅(ケヤキ)・樅 (モミ)・樛(ツガ)・榧(カヤ)は伐ることが禁じられ、この地方が宝木沢といわれたのが転じて箒杉(宝木杉)と呼ばれている。

　温泉入口バス停から少し下った所に、中川温泉街と美しい渓流の中川川がある。中川温泉は、約400年前に十九代当主武田信玄が三代当主北条氏康との合戦で、負傷した将兵を入浴療養させたという伝説もある温泉です。

　中川温泉旅館fは、由緒ある「信玄館」をはじめ、「河鹿荘」「あしがら荘」などがあり、公営施設には「ハイツ＆ヴィラなかがわ」と「丹沢荘」がある。

　今日は神奈川県の高校駅伝大会が丹沢湖を周回するコースで開催されており、丁度、中川橋辺りを通りかかった時には、男子の先頭集団が中川橋の上を走り抜けていた。丹沢湖周辺の道路沿いには、出身学校の陸上部の学生や関係者などが大勢出て、一生懸命に走るランナーに向けて、大きな声で熱い応援を送っていた。

　丹沢湖周辺は年中通じて、祭り・イベントが沢山ある。2月上旬の実業団駅伝大会 、4月上旬のやまきた桜まつり、4月下旬の大野山山開き、8月中旬の花火大会、11月中旬の室生神社流鏑馬(県指定無形民俗文化財)、そして11月最終日曜日には丹沢湖マラソンが開催されている。

　人造湖「丹沢湖」は、当時、七百万人と言われた神奈川県民の三番目の水がめとなると同時に、新しい観光の名所としても脚光を浴びるようになった。

　丹沢湖(自然)に着く頃には、朝方見えていた富士山も雲に隠れ写真に納めることが出来ず残念！
　それでも丹沢湖周辺の山々の紅葉に始まり、湖畔には十月桜の白い小さな花も咲いていた。また濃緑色の湖水のある風景は綺麗であった。

　丹沢湖記念館は丹沢湖誕生を記念して建てられた多目的施設。館内では縄文遺跡出土品の展示、「丹沢湖の誕生」の写真展やビデオの上映がされている。
　三保の家は湖底に水没した世附にあった約120年前の民家を移転復元したもので、当時の生活用具や写真が展示されている。

　三保の家近くに、土屋健氏による「林泉」という題で、平成2年(1990)に建てらたモニュメントがある。

　丹沢湖から真下にある丹沢湖ダム広場への階段を降りて、神縄で県道山北藤野線に合流する。ここから、国道246号までの歩きは長い道程であった。

2005.11.26 晩秋の丹沢湖

丹沢湖周辺 散歩マップ

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