「浪子不動(高養寺)は、海上の安全を願って、古くから不動明王が祀られ、「白滝不動」とか「波切不動」と呼ばれていた。明治の文豪徳富蘆花のベストセラー小説『不如帰』が、ここを舞台としていたことから、悲恋のヒロイン「浪子」にちなんで、「浪子不動」と呼ばれるようになった。
海中に立つ「不如帰」の碑は、昭和8年(1933)に建てられた。碑の文字は蘆花の兄徳富蘇峰の筆によるもの。この石は、江戸時代の初め、江戸城修築のために、鍋島藩が伊豆から江戸への海上輸送中に嵐に遭い、大崎沖で難破し置き去りにされたものと伝えられている。」(※)