渡月橋と桂川(大堰川)一帯は国史跡・国名勝嵐山に指定されて、臨川寺門前は多くの土産物屋で賑わう。背後に嵐山を臨む景観は京都有数の観光スポットである。
「天龍寺総門から200mほど北に、西に抜ける小路がある。ここから西に250mほど歩くと、野営神社(祭神天照大神)がある。
嵯峨には、伊勢神宮に斎宮(斎王)として奉仕する皇女が潔斎所とした野営の跡と伝承される場所が幾つかあり、ここもその1つ。『源氏物語』「賢木」の巻で光源氏が六条御息所を訪ねた嵯峨の野官のモデルともいう。黒木の鳥居と小柴垣が、光源氏の時代を偲ばせる。」(※)
野宮神社から西に150mほど歩くと、天龍寺の北門がある。この辺りから300mほどの間は深い竹林が続き、総門前の雑踏とは別世界となる。嵯峨散歩の中でも定番の観光名所で、それだけに秋の休日などは人の波が絶えることがない。
「嵐電嵯峨駅から北に約3分の所にJR嵯峨嵐山駅があり、嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅が併設される。山陰本線の電化・複線化にともない、不刷こなった旧山陰本線を観光用に再利用したもので、トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの7km余りを約25分で結ぶ。岸壁を削り、トンネルを穿ち、明治32年(1899)に開通した。鉄道遺産となり、走る車窓からは保津峡の景色を楽しむことができる。また、トロッコ嵯峨駅前の19世紀ホールには、蒸気機関車などが展示されている。」(※)