天慶7(944)年創建で、藤原秀郷と伝えられる。かつては、佐野城跡のある春日岡(現、佐野市若松町)にあったが、慶長5年(1600)の佐野城築城にあたり、現在地へと移転することとなった。
佐野厄除け大師として知られる惣宗寺(天台宗)は、青柳大師、川越大師と共に「関東の三大師」の一つに数えられる。
元和3年(1617)に、徳川家康の遺骸を駿河の久能山から日光に改葬する道中で、家康の霊柩が佐野惣宗寺で1泊したことから、惣宗寺に東照宮が造営されたという。
文政11年(1828)の造営で江戸時代後期の特徴的な建築様式が随所にうかがえる。なかでも欄間・妻飾りの装飾彫刻は見事で、絢爛豪華な印象を与える。