箱根登山鉄道の強羅駅で降りて、早雲山ケーブルカーに乗り継ぐ。車内は、大勢の行楽客で一杯であった。今度は箱根ロープウェイに乗り継ぐにも、早雲山駅で約40分待たされる。それでも、箱根ロープウェイからの眺めは素晴らしく、白煙を上げる地獄谷が眼下に見え、大文字山と呼ばれる明星ヶ岳や金太郎伝説の金時山もはっきり見えた。
「箱根火山の中央火口丘に連なる最高峰神山(標高1438.2m)は、約二万年前の噴火によってできた山で、さらにその後約四千年前、火山活動の末期には、火道をふさがれて出口を失った水蒸気が北西方向へ大爆発、仙石原を横切るようにして土砂を押し出した。」(※)
かつて大地獄といわれた大涌谷は四季を通して観光客が多い。あがる噴煙のなかに、ある時は墨絵のように浮かびあがる山がある。冠ケ岳。箱根の最高峰、神山の頂上からすぐ北側に突き出した山。大涌谷から見ると噴煙のなかに烏帽子のようなとがった山。烏帽子は昔の人の冠。冠のような山の形から冠ケ岳と呼ばれるようになった。
大涌谷自然研究路は大湧谷駐車場を出発点に、硫黄泉の煙が上がる坂道をたどり、閻魔台まで行って戻る約40分、670mの自然散歩路であった。
桃源台駅から大涌谷駅は、芦ノ湖や富士山を眺めながら約20分間の空中散歩が楽しめる。
玉子茶屋で休憩した後、湖尻へ通じる姥子自然歩道に入る。森林に囲まれた緩やかな下りの歩道で、快い気分で歩くことができるので、妻の足取りも軽く順調であった。
姥子手前で、「弘法の硯石」と「梵字仏像」を見つける。いずれも、昔の火山活動の落とし物である。
湖畔プロムナードは、遊覧船の発着する湖尻ターミナルと箱根園を結ぶ遊歩道。歩行者と自転車の専用道路だから、車を気にせず散歩できる。
多少アップダウンがあるものの、湖を眺めたり、森林の中をのんびり歩いたりして、約1時間で箱根園に着いた。
箱根園にはプリンスホテルが経営するザ・プリンス箱根、龍宮殿、箱根水族館、ショッピングモールなどがある。
ザ・プリンス箱根の庭から眺める芦ノ湖や富士山の夜明けの様子。
内庭から眺める芦ノ湖・富士山の展望は素晴らしい。交通機関は、駒ヶ岳ロープウェーや芦ノ湖遊覧船を利用することになる。
箱根水族館は、大海の生き物が集まった「海水館」、バイカルアザラシショーが見られる「バイカルアザラシ広場」がある。
駒ヶ岳ロープウェーは、箱根園内の乗り場から駒ヶ岳山頂まで全長1,783m、約7分で結ぶ。