「海蔵寺は臨済宗建長寺派、山号は扇谷山、開山は心昭空外(源翁禅師)、開基は上杉氏定、創建は応永元年(1394)。海蔵寺は五山・十剃・諸山のどれにも列していなかったが、扇谷上杉氏の保護をうけて栄え、往時には開山塔仏超庵をはじめ13の庵院の塔頭を数えたという。境内にはいると正面に龍護殿といわれる本堂がある。」(※)
本堂左側には安永6年(1777)浄智寺宝殿(仏殿)を移築したという薬師堂(仏殿)がある。本尊薬師三尊像、十二神将像、心昭空外坐像、伽藍神像、昆沙門天立像などが祀られている。
【福寿草 2月】
境内は四季の花の美しいことでも知られ、早春にかけてスイセン、福寿草、梅などが見られる。
茅葺二階建ての建物の庫裏は、江戸時代に建立されたもの。
弘法大師が掘ったという16の丸大に清水をたたえた十六ノ井は、正面に石の観音菩薩像や弘法大師像がまつられている。
底脱ノ井(鎌倉十井)は、有力御家人安達泰盛の娘・千代能が、ここに水を汲みに来た時に、水桶の底がすっぽり抜けたため、「千代能が いただく桶の 底ぬけて 水たまらねは 月もやどらず」詠んだことから、この名がついたといわれている。
【ハギ 9月】
鎌倉の萩寺で知られ、中でも山門前の両側に咲き誇るハギは綺麗であった。
【リンドウ 10月下旬】
10月下旬ごろから、境内には可憐なリンドウの花が咲く。