総門の「寶所在近」は、宝物は近くにある、という禅の言葉。宋から招いた無学祖元(仏光国師)が書いたと伝えられている。
甘露ノ井(鎌倉十井)は、井戸の水は蜜のように甘く、不老不死の効用があるといわれていたころから、この名が付いた。
延宝7年(1169)建立の山門は、二階に花頭窓のある唐様の鐘楼門で鎌倉唯一、二階に「暦応3(1340)年」銘の梵鐘が掛かっている。
「弘安4年(1281)、浄智寺は臨済宗円覚寺派、鎌倉五山第四位、山号は金宝山、開山は渡来宋僧兀庵普寧(宗覚禅師)、開基は十代執権北条師時によって創建された。仏殿には、左に阿弥陀如来は過去、中央に釈迦如来は現在、右に弥勤菩薩は未来をあらわす木造三世仏坐像が祀られている。十五世紀半ばごろに再建された像で、鎌倉地方に多い衣の袖を台座に長くたらした様式になっている。」(※)
仏殿横のコウヤマキは、鎌倉第一の巨木で、鐘楼門前のビャクシンとともに鎌倉指定文化財です。
仏殿後の木造聖観音菩薩立像は、もと三門の上に五百羅漢と一緒に祀られていた像で、南北朝時代の作といわれる。
境内奥に横あるやぐら辺りには、美しい竹林が見られる。
横やぐらは軟らかい鎌倉石の山を掘った祠。中で僧侶が修行したり、地位の高い人のお墓にしたり、平地が少ない鎌倉らしい遺跡になっている。境内は国史跡。
お腹をさすると、元気をもらえるという布袋尊。弥勒菩薩の化身ともいわれる。布袋尊は、鎌倉・江の島七福神の1つに数えられている。
江戸時代の後期ごろには、仏殿・方丈・鐘楼・外門・惣門そして塔頭の中の八院などがあったが、これらの建物は大正12年の関東大震災でほとんどが倒壊した。現在は、鐘楼門・曇華殿(仏殿)・方丈・客殿などが伽藍を形造っている。
【ロウバイの季節】
茶室前に、ロウバイの黄色の花が咲いていた。
【紅葉の季節】