金時山から足柄峠を歩く
(仙石~地蔵堂)

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散歩コース

仙石バス停(箱根登山鉄道バス)~金時神社~金時宿石~金時山~足柄峠~足柄万葉公園~足柄古道~地蔵堂~地蔵堂バス停(箱根登山鉄道バス)

mark公時神社(きんときじんじゃ)

 午前8時、箱根登山鉄道の宮ノ下からバスに乗り換える。紅葉の美しい季節の為、行楽客や登山客の人でバスは満員の状態であった。仙石バス停で降りて、乙女峠に通じる車道を約15分歩くと公時神社入口に着いた。

公時神社(9月)
公時神社(9月)
公時神社(9月)
公時神社

 祭神は坂田金時。幼名を金太郎といい、怪力の持ち主で熊と相撲をとったと童話にある。強健で、武勇に優れた人物として五月人形にもなり、子どもの神、健康の神として広く崇められている。坂田金時に改名し、平安後期の源頼光の四天王の一人といわれた。

神社前のモミジ
神社前のモミジ
神社前のモミジ
神社前のモミジ

 まずは公時神社でお参りしてから、登山道を歩き始める。
 登山口から金時山までは約75分の手軽なコースで、小さな子供から高齢者までが登山を楽しむことが出来る。檜林の中をしばらく登ると、正面に真ん中で2つに割かれた巨大な岩「金時宿石」が見えてくる。

金時宿石
金時宿石
仙石原高原
仙石原高原

 金時宿石の伝説は、金太郎は山姥の子供で、この岩の洞窟の中で暮らしていたという。
 林の中を抜けると急に視界もよくなり、ほとんどの人が小休止をとる。紅葉した仙石原高原芦ノ湖までを見晴らすことができる。公時神社分岐から最後の急な登りを過ぎると、金時山に着く。登り時間はコースタイム通りの約75分であった。

mark金時山山頂(きんときやまさんちょう)
金時山山頂
金時山山頂

 「「まさかりかついで金太郎、熊にまたがりおうまのけいこ」、あまりにも有名な童謡。つくられたのは明治二十年頃と推定されている。この金太郎ゆかりの山が金時山。箱根の北部にあって、外輪山上にそび える雄峰である。なだらかな起伏をみせる外輪山の中で、明神ケ岳とともに内側に荒々しい旧爆裂口の岩場をもっている。外輪山上では最も高く、箱根の中でも独特の風格をもった山である。」()

 山頂で約20分休憩して、足柄峠へ向って下った。公時神社からの登りとは違って、足柄峠への下りは梯子とロープの連続で登山道を下った。

金太郎が見守る道しるべ
金太郎が見守る道しるべ
登山道
登山道

mark足柄城址(あしがらしろあと)

 金時山からは金時山ハイキングコースを通り、約2時間で静岡県側の足柄城址に着く。

足柄峠からの富士山(タイムラプス動画)
2021.11.3 足柄峠からの富士山(タイムラプス動画)
youtube

 神奈川県と静岡県の県境にある「足柄峠」から、富士山にかかる雲の流れをインターバル撮影!約1時間の撮影後には、富士山は完全に雲に隠れてしまった。

富士山頂富士山頂

足柄城址からの富士山
2013.10.13 足柄城址から忍野八海へ
youtube

 ここからの富士山の展望はすばらしい。案内板には「富士山が日本一高く見えるところ。天下の絶景富士に祈る足柄城址より望む富士山に、優美な裾をひき均整のとれた美しさで天に向って伸び上がり、まさに日本一の高さを感じさせ額縁のない天然の絵画である」と書かれていた。

足柄城址
足柄城址碑
足柄城址の展望
足柄城址

 「本丸をはじめとする5つの曲輪や空堀。土塁、井戸跡などをみながら散策することができる。足柄城の築城年代ははっきりしていないが、後北条氏には、今川、武田に対する「境目の城」として重要な役割をはたした。天正18年(1590)、豊臣秀吉による小田原攻めのときに戦わず開城した。」()

足柄城址銘碑
足柄城址銘碑
金時山を振り返る
金時山を振り返る

新羅三郎義光吹笙之石
新羅三郎義光吹笙之石

 「堀河天皇の御代に奥州の藤原武衝等が叛いて兵を挙げたのでこれを鎮定するために八幡太郎義家が行った。世に云う後三年の役で、この時敵の抵抗強く義家苦戦と聞いて新羅三郎義光(八幡太郎義家の弟)は数十騎の兵をつれて逢坂山を越え、日を重ねて足柄峠に露営したのは寛治元年(1087)の仲秋の名月である。」()

mark足柄峠(あしがらとうげ)
足柄山聖天堂
足柄山聖天堂

 聖天堂は、日本三大聖天尊のひとつ足柄聖天で、本尊は弘法大師が自筆の「足柄峠」の額と共に奉納したといわれる大聖歓喜双身天が祀られている。

足柄峠
足柄峠(景勝50選)
足柄之関跡
足柄之関跡

 「足柄は古くは万葉集にもうたわれ、「足柄峠」は多くの史書に記され、神奈川の誇れる最も古い峠の一つといえる。この足柄道の最高点が足柄峠(自然)で、静岡との県境。箱根の中では北端に位置し、外輪山の雄峰、金時山と矢倉岳との鞍部に位置する。奈良時代、足柄道の起点は西が横走、東が坂本で、ともに箱根越えの駅として栄えていた。坂本は現在の南足柄市の関本付近といわれる。」()

足柄明神跡
足柄明神跡
石祠
石祠

 日本最古の歴史書である『古事記』に記載に、倭建命が東国征伐へ向かった時、足柄峠で足柄明神は白鹿の姿で現れ、倭建命によって蒜で打ち殺されたことで東国が平定されたある。足柄明神天慶3年(940)に創建されたとされ、後に矢倉岳に遷座し、矢倉明神という名前になった。現在ある石祠は明治6年(1873)に足柄明神を祀るために建てられた。

mark足柄万葉公園(あしがらまんようこうえん)
足柄万葉公園
足柄万葉公園(公園・庭園)
万葉集の歌碑
万葉集の歌碑

 足柄万葉公園では万葉集より足柄を詠んだ歌17首のうち、7首が根府川石に刻み込まれ、また往来時の人々の生活の支えとなってていた万葉植物約90種類を見ることができる。
 歌碑
  足柄の 御坂畏み 曇夜の 吾が下這へを 言出つるかも

足柄万葉公園
景勝50選の石碑
景勝50選の石碑

mark足柄古道(あしがらこどう)

 足柄万葉公園までは自家用車叉は乗合いバス(本数は少ない)を利用して登ることができるので、この足柄古道を登り・下りする人はほとんどいなかった。

足柄古道
足柄古道
足柄古道
足柄古道(古道50選)

 足柄古道の足柄峠付近は、京都・坂東間の古道。大化の改新後、大和朝廷が箱根越えとして定めた道になっていた。

mark地蔵堂(じぞうどう)

 車道と足柄古道を交互に歩きながら地蔵堂に着いた。この地蔵堂近くには、夕日の滝や金太郎遊び岩、ハイキングコースがある為、地蔵堂付近は沢山の人出があった。

本堂
地蔵堂
収蔵庫
収蔵庫

 地蔵堂裏の収蔵庫には、地蔵堂の逗子と木造地蔵菩薩立像(足柄地蔵と呼ばれ、玉眼の技法を使い、左手に宝珠、右手に錫杖を持ち、構造は寄木造りです。慶派仏師またはその影響下にあった仏師が制作したと考えられる。鎌倉時代の作と考えられる)が保存されている。逗子は、室町時代後期の作で、地蔵菩薩像は南北朝時代末期から室町時代初期のものと推定されている。
 ここから、右の道が足柄峠へ、左の道は夕日の滝への道である。

本堂の扁額
本堂の扁額
道標
道標

 ここから、右の道が足柄峠へ、左の道は夕日の滝への道である。

茶屋ふじや
茶屋ふじや
足柄地蔵堂名物のおやき
足柄地蔵堂名物のおやき

 関本(新松田)行きバスを待つ間に、足柄地蔵堂名物のおやきを美味しくいただいた。

map 金時山周辺 散歩マップ

map 足柄峠周辺 散歩マップ

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